この記事では、ストレートネックの人が気を付けるべき寝方(睡眠時の姿勢)について解説しています。
寝方は大きく分けて“仰向け寝”、“横向き寝”、“うつ伏せ寝”の3つがあります。結論から言うと、ストレートネックの人にお勧めの寝方は“仰向け寝”で、避けた方がよい寝方は“横向き寝”と“うつぶせ寝”です。
前提として、短時間であれば横向き寝もうつ伏せ寝もNGなわけではありません。睡眠時は長時間同じ姿勢であることが多く、かつ寝姿勢を自分の意思でコントロールすることができません。あくまでも長時間の“横向き寝、“うつ伏せ寝”はストレートネックの人にとって悪影響をおよぼしかねない…というほどの内容になります。
本サイトでは、ストレートネックに関するさまざまな記事を掲載しています。ストレートネックに関するお悩みを抱えている方は、ぜひ別のページもご参考にしてみてください。
本来ゆるいカーブを描いているはずの首の骨が、まっすぐの状態になってしまうことをストレートネックと言います。肩こり・首こり・頭痛を中心に、体のあらゆる箇所へ悪影響をおよぼすストレートネックに悩む人は非常に多く、日本人の9割にその兆候が見られるとさえ言われています。
ストレートネックと寝方は密接な関係があります。なぜかと言うと、ストレートネックの主な原因は「悪い姿勢」であり、睡眠時は長時間同じ姿勢でいることが多いためです。
経済協力開発機構(OECD)が33カ国を対象に行った2021年の調査では、日本人の平均睡眠時間は7時間22分。人は常に同じ姿勢で寝ている訳ではありませんが、睡眠中の体勢が長い時間同じであることは想像に難くありません。体に負担をかける寝姿勢だと、首や肩に痛みなどの不調が出ることも頷けることでしょう。
まず、理想的な寝姿勢は「真っ直ぐに立った楽な姿勢の背骨のラインと近いこと」。つまり、無理のない姿勢で眠ることです。
ストレートネックの主な原因は姿勢の悪さです。長時間にわたり首に負担の大きい姿勢でいることにより、首まわりの筋肉が強張ってしまうために起きます。スマホを見る際の過度なうつむき姿勢や、デスクワークでの顎が前に突出した状態などがその最たる例と言えます。
寝方についても考え方は同じで、要は「真っ直ぐに立った状態の背骨のラインと近いこと」が、最も体に負担のかからない寝姿勢となります。
寝方は大きく分けて3つあります。
冒頭でも触れましたが、ストレートネックの人にお勧めの寝方は“仰向け寝”です。反対に、避けるべきなのは“横向き寝”と“うつぶせ寝”になります。
次項では、横向き寝とうつ伏せ寝がNGな理由と、仰向け寝がお勧めの理由を解説していきます。
背骨から頸椎にかけて真っ直ぐになる横向き寝は、一見するとストレートネックの人に悪い影響を与えない寝姿勢に見えますが…
などの理由から、ストレートネックに悩む方は極力避けた方が良い寝方と言えます。
半身が下、半身が上を向く横向き寝は、どうしても下側になる面に圧力がかかります。そもそも睡眠時は、全身に均等的な圧力がかかることが理想とされていて、一部にのみ圧がかかるということは、その箇所の負担が増えるということ。人間の体には凹凸があり、特に横向き寝は肩や腰に自重が集まりやすい寝方となるため、肩の筋肉が緊張する横向き寝はお勧めできません。
また、横向き寝による巻き肩にも要注意です。横を向いて寝ていると、重力の影響で上側の肩が下側の前面に落ちてしまいます。長時間この状態でいると筋肉が固まってしまい、巻き肩の癖がついてしまいます。
加えて、枕から首が外れてしまった場合、首が深い角度で下に落ちてしまいます。明らかに首への負担が大きい姿勢となり、起床時には寝違えたような痛みを引き起こす原因になりかねません。
以上の理由から、ストレートネックの人が横向きで眠ることは、可能な限り避けた方が良いでしょう。
うつ伏せ寝がお勧めできない理由は説明不要かもしれません。上記のイラストの通り、うつ伏せで眠る場合は顔を前に向けても横を向けても負担がかかりますし、下を向くと呼吸がし辛くなります。
うつ伏せの状態で長時間の睡眠を取る人は稀かもしれませんが、首への負担を考えれば避けた方が良い寝姿勢であると言えます。
主には上記2つの理由が、仰向け寝をお勧めする理由です。
まずは首の自然なカーブについて。重複になりますが、首の骨は本来緩やかにカーブしています。加えて、理想的な寝姿勢は「真っ直ぐに立った状態の背骨のラインと近いこと」です。この2つを実現する寝方が仰向け寝となります。
また、仰向け寝は面積が広く平べったい背中が体を支えるため、圧力が分散しやすいという特徴があります。横向き寝のように、特定の箇所にのみ圧力がかかって筋肉が緊張してしまう可能性が低く、結果として体に負担をかけづらい寝姿勢となります。
どの体勢で眠っても、睡眠時に全く寝返りを打たない人は少ないでしょう。また、「横向きでないと眠れない」という方も少なからずいるようです。
そのようなケースの場合、バスタオルなどを丸めて膝の下に入れることをお勧めします。自然と仰向け姿勢が作りやすくなるとともに、特に腰への負担が軽減され、仰向けでの寝姿勢が作りやすくなります。
まず注意したいのは枕の高さです。特に高すぎる枕はNG。イラストを見て分かる通り、高すぎる枕を使用すると首の角度が極端に深くなってしまい、頸椎に負担を強いることになります。起床時に首が痛くなる原因の多くが、高すぎる枕を使用しているためと言われています。
低すぎる枕の使用を推奨しない理由は、大きく分けてふたつあります。
・首が浮いた状態になって筋肉が緊張するため
低すぎる枕を使用することは、首を支えるサポートが無い状態です。ひとつのケースとして、顎が上を向いて首本来のカーブが深くなりすぎてしまい、首が宙に浮いた状態になることがあります。この場合、首の付け根と後頭部のみで姿勢を保っているため、首周辺の筋肉が緊張して痛みを引き起こす要因になります。直接的にはストレートネックとは異なりますが、筋肉の緊張がストレートネックを引き起こす原因となります。
・顎を引いて首の骨が真っ直ぐになるため
前記した「首が宙に浮く」の逆パターンで、正にストレートネックの原因となる例です。安定感を求めるためか、低すぎる枕に首の多くの面積を設置させ、結果として首の骨が真っ直ぐになってしまうケースです。首本来の緩やかなカーブが損なわれた状態での寝姿勢となるので、やはりお勧めできません。
枕を使わないこともお勧めできません。理由は低すぎる枕を使用する場合と同じで、ひとつは「顎が上を向いて首のカーブが深くなり、不安定になるため筋肉が緊張状態に陥り、ストレートネックの要因となる」ということ。もうひとつは「顎を引いて首が真っ直ぐになり、ストレートネックの状態になる」となります。
ストレートネックと睡眠時の姿勢には密接な関係があり、かつ“仰向け寝”がお勧め。加えて、枕の高さが重要であることがご理解いただけたと思います。そこでお勧めしたいのが、ストレートネック専用枕の「コリ吉ロール」です。
タオル枕のため、高さの微調整がほぼ無限に可能となっていて、ストレートネックの天敵となる「枕の高さが合わない」問題を解決してくれます。さらに、硬材(2本の木の棒)と軟材(スポンジ)を加えた独自の構造により、枕の硬さも調整することができます。
ストレートネックにお悩みの方は、ぜひ一度お試しください。
本記事では、あくまでも「ストレートネックの人にお勧めの寝方」として“仰向け寝”をご紹介いたしました。ですが、横向きやうつ伏せが必ずしもNGという訳ではありません。
平たく面積の多い背中に体重がかかる、最も安定した寝姿勢です。接地面積が広く手足を動かしやすいため血液の循環がよく、筋肉が凝り固まる心配が少ないとされています。
一方で尾てい骨には少し負担がかかりやすく、特に反り腰の人が長時間仰向けで寝ると腰に痛みが出るかもしれません。
舌が口内に落ちることがないため、呼吸がしやすい寝姿勢とされています。また、腰の角度を自由に調整できるため、腰に負担がかかりづらく、腰痛持ちの人が寝やすい体勢としても知られています。
一方で、長時間片方の側面を下にしていると血流が悪くなり、冷え性や筋肉のこりに繋がる可能性があります。また、片面だけが圧迫される横向き寝は、歯並びにも悪影響を及すとされています。
横を向いても下を向いても首を持ち上げても、首や背骨のどこかしらに大きな負担やねじれが発生する寝方です。基本的にはお勧めいたしませんが、体の前面に布団があることにより、安心感を抱くことのできる寝姿勢ではあるかもしれません。
また、横向き寝と同様に、歯並びにも悪い影響を与えるというデメリットがあります。